ハードサーフェス クリップ時の「バリ」を回避する

2012.03.04kickbaseZBrush4


ZBrush4から搭載されたClipブラシ。これらは元来有機的なモデリングを得意としてきたZBrushに、機械的・人工的な表現を与えてくれました。僕自身、これらのブラシには非常にお世話になっているのですが、その仕組み上どうしても「バリ」が発生してしまうという難点も抱えていました。今まで「ReMesh AllとProject Allを組み合わせる方法」や「MultiGroups DynaMeshを使用する方法」など試してきましたが、バージョンアップにより使用出来なくなったり、全体のディテールが失われてしまったりと、一長一短でした。

今回発見した方法は、ディテールをあまり失うことなく、かつ現在最新のZBrush4R3で使用できる方法です。お試しの際は念のためバックアップをご用意のうえ実行してください。またこの方法には見落としや問題点があるかもしれません。その際は、Twitter ID @kickbaseまでお知らせ頂ければ幸いです。
※複雑かつ大断面をクリップするとき、メッシュが意図しない形状になることがあります。

※以下ZBrush4R3環境での記事となります。またこれらの手法を全て試すには、ZBrush4R2以降が必要となります

00 : 「バリ」の発生する条件とその仕組み
後述の方法を試すまでもなく、通常のClipブラシで最良の結果が得られればそれに越したことはありません。発生条件と仕組みを理解することで、うまい切り分けができると思います。


Clipブラシの仕組みは「切り取る」のではなく「カーブのラインに沿ってポリゴンを圧縮( 押し付け )」しています。なのでポリゴンの総数は実行前後で変化しません。
※3D-Coatはボクセルベースのため、実際に削り取ります。ここがZBrushとの違いです。


クリップされる部分が実行後のオブジェクト形状より大きい場合は、圧縮され平坦になったポリゴン( バリ )が発生してしまいます。つまり「より小さい部分をクリップしていく」ことを心がけると、バリの発生を押さえることができるのです。しかし何度やっても上手く行かないときは、下記の方法を試してみてください。

01 : SliceCurveを用いた方法
ZBrush4R2より搭載されたSliceCurveを利用します。このブラシはMultiGroups DynaMeshと共に使用することが多いと思いますが、今回はダイナメッシュは使用せず作業を行います。

SliceCurveブラシはモデルにサブディビジョンレベルがあると使用できません。下準備としてDel Lower(下位のサブディビジョンレベルを消去)しておきます。
※Freez Subdivision Levels(一時的にサブディビジョンレベルを固定する)を使用するとサブディビジョンレベルを戻す時にトポロジーが崩れることがあるようなので、避けた方がいいと思います。


SliceCurveブラシで任意の曲線を描きます。


ポリグループに分割されるので、残したい部分をCtrl+Shift+左クリックし、その他のポリグループを非表示にします。


Tool → Geometry内にあるDelHiddenで非表示部分を削除。Close Holesで穴をふさぎます。


狙い通りのクリップができました。

03 : 補足( MultiGroups DynaMeshを使用する方法 )
Clipブラシ、SliceCurveともに正しくクリップできない時は、MultiGroups DynaMeshを用いることができます。この方法を使えばバリを生成することなく確実にクリップすることができます( 多分 )が、ダイナメッシュを利用するためディテールが失われてしまう点と、高分割されたモデルでは使用できないのでご注意下さい。

  • Del Lower(下位のサブディビジョンレベルを消去)します
  • SliceCurveブラシで任意の曲線を描きます
  • Tool → Geometry内にあるMultiGroups DynaMeshをオンに、Resolution(分解能)を512程度に上げる ※Resolutionはモデルのディテールによって適切な値に設定します
  • よりディテールを保護したい場合はReProjected Dynameshもオンにしておきます
  • Dynameshを実行する
  • Tool → SubTool内のGroups Splitを実行する ※アンドゥ不可の旨ダイアログが出ます
  • 04 : 備考

    ZBrushは更新頻度が高く内部アルゴリズムの変更も頻繁に行われるため、皆さん試行錯誤の上経験則に基づいて使用されていることと思います。今回の記事も、僕が知らなかっただけで元々一般的な手法なのかもしれません。もっといい方法があれば、ぜひご教授頂ければ幸いです。

    参考サイト

    Eat3d Hard Surface 2 Renders – Future DJ


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