ケアマネジャーの転職活動において志望動機を書く際のポイントは?

ケアマネジャーが活躍する職場は、居宅介護支援事業所のみならず介護保険施設、グループホーム、小規模多機能型居宅介護など以前と比較して多くなっています。

一方、介護保険制度はどんどん複雑になっており、ケアマネジャーの合格率は低くなっている傾向が見られます。

せっかく取得したケアマネジャー資格を活かすために転職する場合、志望動機にはどのようなポイントがあるのでしょうか。

ケアマネジャーを取り巻く状況

ケアマネジャーは介護福祉士や看護師などの元資格を持ち、5年以上の実務経験を経てようやく受験資格を得られる介護系の資格の中では最難関の資格のひとつです。

以前と比較して介護保険制度が複雑化していることや、受験者の中で比較的経験の少ない介護福祉士が占める割合が大きくなっていることなどから合格率が下がっていると言われています。
【最近の介護支援専門員実務研修受講試験の合格率】

第21回(平成30年度) 10.1%
第20回(平成29年度) 21.5%
第19回(平成28年度) 13.1%
第18回(平成27年度) 15.6%
第17回(平成26年度) 19.2%

ケアマネジャーの待遇

ケアマネジャーの平均賃金は他の職種と比較すれば高いと言われます。

しかし最近では、介護職員の給料がケアマネジャーを上回ったという情報もあります。

例えば居宅介護支援事業所の場合だと、一人あたりが担当できるケース数(利用者数)の上限が決められておりそれ以上、収入を増やすすべがないことから人件費はおのずと頭打ちになります。

また、ケアマネジャーはベテランが担うことも多いことから必然的に平均賃金が高いということも言えるかもしれません。

ケアマネジャーの求人数

正確な統計はありませんが、ケアマネジャーの求人数は頭打ちになっていると言われます。

高齢者は増加していますが、毎年新しい合格者が出ることや、要支援や総合事業の対象者が増加していることからケアマネジャーが関わる機会が減っていることも影響しているかもしれません。

また制度が複雑になり、小さい事業所などでは初任者に業務を教育することも非常に難しくなっているという話しを聞くこともあります。

せっかくのケアマネジャー資格を活かすためには、少ない求人に対してなんとか上手く転職を成功させたいものです。

ケアマネジャーの転職、どのような志望動機のポイントがあるか

ケアマネジャーの勤務先は、居宅介護支援事業所か施設のケアマネに分けられます。それぞれどのような志望動機のポイントがあるでしょうか。

居宅介護支援事業所のケアマネジャーから他の事業所へ転職する場合

「前の職場にはない特徴や積極的な志望動機を伝える」

居宅介護支援事業所のケアマネジャーから他の事業所へ転職する場合、行う業務は大きくは変わりません。
辞めた理由として職場内の人間関係を理由としたり、前の職場を悪く言ったりすることはあまり望ましい理由とは言えません。

「複数のケアマネジャーがいる職場で働いてスキルアップをしたい」や「たくさんの事業所を持つ法人で働きたい」など積極的な志望動機を伝えることがポイントになります。

「経験を活かして即戦力になることを伝える」

経験者の場合には、事業所側も即戦力として期待した上で採用を行います。
担当できるケースがあれば、スグにでも担当できる戦力となれることをアピールすることが重要です。

居宅介護支援事業所から施設のケアマネジャーへ転職する場合

「他の職種と連携しながら業務を行っていきたいことを伝える」

居宅介護支援事業所と施設のケアマネジャーの大きな違いは、施設ケアマネは事業所内の他の職種と積極的に関わっていかなくてはいけないところにあります。

事業所から見て居宅介護支援事業所のケアマネは仕事をくれるお客様です。

しかし施設内では自分から積極的に情報を取りに行かなくてはいけません。施設内でのコミュニケーション能力も必要なのが施設ケアマネと言えます。

「在宅介護を知っている強みを伝える」

在宅で生活する高齢者の実情がよくわかっていることは、居宅介護支援事業所を経験したケアマネの強みと言えます。

施設からの在宅復帰や在宅生活の支援に力を発揮できることは、施設ケアマネにおいて大きなメリットです。

施設から居宅介護支援事業所のケアマネジャーへ転職する場合

「施設の職員に動いてもらった経験を活かすことが出来ることを伝える」

居宅介護支援事業所の役割は、直接自分たちが介護を提供するのではなく外部の事業所に高齢者を支援してもらうためのケアマネジメントを提供することです。

施設ケアマネとして、施設の職員に動いてもらうという経験は居宅介護支援事業所で言うところの外部の事業所に動いてもらうことに通じます。

他の職種からケアマネジャーになる場合

「これまでの経験を活かしていきたいことを伝える」

ケアマネジャーになるためには、元資格と5年以上の実務経験が必要です。

看護師からケアマネジャーになる場合には医療的な知識に強い場合が多く、介護福祉士からケアマネジャーになる場合にはケアの方法や技術に強い場合が多いと言われます。

制度や周辺の事業所情報などは業務を覚えながら学んでいくしかないことは、採用する側にもわかっていることでありデメリットにはなりません。

ケアマネジャーの転職では円満退職が重要

ケアマネジャーの業界は決して広くないため、転職して別の事業所に勤めた場合などの情報はスグに広がるものです。

また、ケアマネジャーは他の職種と比較すると極端に研修の機会が多いことから辞めた事業所のケアマネジャーと関わることもあるかもしれません。

そのため、転職をする場合にも出来る限り前の職場とは良好な関係のまま退職することをオススメします。

ケアマネジャーの業務は、AI導入の検討や費用負担導入の議論など今後様々な変更が行われるかもしれません。

しかし介護保険やケアマネジメントの専門家として、直接利用者や家族の支援を行う業務は今後も変わらないと思われます。

利用者や事業所に信頼されるケアマネジャーは、今後も必要がなくなることはないでしょう。

実際に転職されるケースや求人を探すケースでは転職エージェントを活用して情報をしっかり取得して行うのがよろしいかと思いますので転職エージェントの活用も視野に入れてください。

応募書類の書き方含め、転職活動のサポートが受けられますので悩んでいる方には良いかと思います。

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